多様な症例と向き合って
学ぶ日々。

医療

独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター (病院管理栄養士)

西尾 聡子さん

患者さんのためのおいしく安全な食事を考え、提供しています。

病院管理栄養士の業務は大きく分けて「給食管理業務」と「臨床栄養業務」があります。当院では一日に約1500食の食事を提供しています。調理の一部や配膳などは委託業者が行っていますが、患者さんにおいしく安全な食事を提供するために、管理栄養士は献立内容の確認などを行っています。

臨床栄養業務では、入院、外来の患者さんに対しての栄養指導や、病棟管理業務を行っています。栄養指導は1日に20~30件を、その日の担当栄養士で分担しています。栄養指導は、糖尿病、腎臓病、脂質異常症や肝臓病、がん、消化管の術後など、さまざまな方を対象にしています。当院では管理栄養士一人一人に担当病棟があります。担当病棟では、食事不振の患者さんや経管栄養を行っている患者さんに対しての食事対応など、直接病室に伺う栄養管理業務も行っています。

多様な先生や管理栄養士の先輩から学ぶ日々。

総合病院のため、さまざまな症例の患者さんの指導を経験できます。多職種の先生方に意見を聞くことができたり、管理栄養士の人数も多いため、先輩方の経験を聞かせていただいたりして、自分の興味のある分野に対しての見識を広げることができます。

臨床現場を身近に感じられた大学時代。

もともと臨床の分野に興味があり、大学では病院など実際の現場で働いていた先生が多く、的確なアドバイスを受けることができました。さらに医師や多職種の先生の意見が聞けたり、病院に勤務されている先輩方の情報を得られたりしたことも、今の道に進む後押しになりました。

今の仕事に通じる大学時代の学びや経験。

「臨床栄養学」などでは病院管理栄養士に必要な基本的な栄養学に関する知識を得て、「人体構造学」では人体の構造から学び、疾病の基礎知識を得ることができました。また2週間の病院実習では、実際の病院の雰囲気や業務内容などを見学することができるので、病院勤務での具体的なイメージを掴むことができました。

「病院実習」様子

健康栄養学科の魅力。

管理栄養士という同じ目標に向かって勉強する学生が多いため、国家試験に向けてお互いの苦手な部分を教え合うなど、協力して勉強することができました。私は学部を卒業した後、健康科学科の大学院にも進学をしました。愛知学院大学では各学部の大学院もあるため、さらに専門的な研究がしたい方にも環境が整っていると思います。

病院管理栄養士の仕事の奥深さを実感する日々。

私は病院管理栄養士として働かせていただいてから3年目になりますが、まだまだ経験していない症例も多く、日々この仕事の奥深さを感じています。コロナ禍のために、例年とは違う形での業務も数多くあります。そんな中で、今後も医療者の一員として、病院管理栄養士の経験を積んでいけたらと思っています。

Message

さまざまなことを学びながら、自分の夢や道を探そう。

どの職種でも、就職してから現場で勉強することが数多くあります。大学で得た知識だけで働くことは難しいですが、大学での経験は社会に出たときにどのように勉強していくかの練習になると思います。まだ将来の夢が決まっていない方も、大学でさまざまな分野を学び、自分がどんなことに興味があるのかを探すことができればよいかと思います。また将来の仕事を探す際に、管理栄養士の資格を取得していれば、選択できる仕事の幅も広がると思います。