最先端の知識と技術を身につけ、
即戦力となる言語聴覚士をめざす。
Point 1
臨床・研究の最前線に立つ
先生から学ぶ
3つの専門医領域からSTを読み解く
山本 正彦教授
STを統合脳から観る。
S(しゃべる)T(食べる)の不具合には「認識して動かす」脳と神経の機能異常を解き明かす神経内科専門医が必要です。小児のSTの病気を引き起こす遺伝的背景には臨床遺伝専門医が関わります。年齢的にも学際的にも広範囲をカバーするST領域をリハビリテーション科専門医が統合的視点から観ます。
STを3つの疑問から観る。
S(しゃべる)T(食べる)の不具合「What(症状)何が、How(様式)どのように、Where(部位)どこに出現」の3つの疑問を常に現場(診療、研究、教育)から問いかけます。病態解析の筋道を立てることが最善の解決策を観い出す近道と考えています。
臨床で生きる力を養成
辰巳 寛教授
見えない障がいへの理解が大切。
高次脳機能障がいが専門分野です。その障がいの症状は千差万別で、患者一人ひとりに全く異なる特異的症状があります。「良い臨床家は、良い役者」をモットーに、患者の症状を忠実に再現できることが患者理解の第一歩と考えています。
医療現場に即した実践力を重視。
教育現場でも、多種多様な病態像を自ら具体的に演じることで、学生の障がいに対する興味関心を高め、正確な病態理解を促しています。また、今も臨床に向き合い続ける実習指導者の立場から、臨床実践が第一主義。講義では実際の患者の臨床記録を可能な限り数多く扱い、医療現場で通用する生きた知識と技術を養うことを大切にしています。
歯科医師の視点を学びに
古川 博雄教授
口腔外科が専門で口腔ケア、より良い口唇口蓋裂治療と向き合っています。歯科医師、博士(歯学)の視点から教えています。
口(くち)、“口腔(こうくう)”は消化器、呼吸器をはじめ、全身各所の「入口」となっていますので、口腔に“起こっていること”は全身に影響を及ぼすことが近年色々とわかってきました。例えば口腔の疾患である歯周炎と、肺炎、動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病、関節リウマチ、骨粗鬆症、早産・低体重児出産などの全身疾患との関連性です。「口腔ケア」は、これらの全身疾患を予防し、QOLの向上に貢献します。
「歯学」・「医学」の両面に精通する口腔外科医が、「口腔ケア」を含めて「口腔医学」を教授します。
「食べる」を長く探究
牧野 日和准教授
食べられない方は生きる希望を見失っていることが多く、言語聴覚士には以下のことが求められます。
摂食嚥下リハビリテーションを学ぶ
食べられる仕組みと食べられない原因、そしてどうしたら再び食べられるのかを1年かけて勉強します。難しそうに思うかもしれませんが、大丈夫です。私には日本一わかりやすく教える自信があります。
障がいと、障がいを有する人に寄り添う
臨床現場では患者さんのみならず、ご家族、医師や看護師などの他職種の方々からも、食べることの専門家である言語聴覚士に大きな期待を寄せています。患者さんが再び食べられるようになったという魂が震える感動を、ともに味わってください。
世界を視野に入れた授業
早川 統子准教授
世界にフォーカスした教育。
アメリカ・オハイオ州にあるNationwide Children’s Hospitalで1年間にわたり,小児の言語治療の臨床を学びました。また、アメリカの言語聴覚士にとって教科書的な書籍を日本語に翻訳して出版。この経験から、アメリカの言語聴覚士の先生とのネットワークがあり、またアジア地域の言語聴覚士のネットワーク構築にも積極的に取り組んでいます。世界の言語聴覚療法に目を向け、国際的に活躍できる言語聴覚士の育成をめざしています。
臨床での体験を授業の題材に。
専門分野は、発声発語障害学(口蓋裂に起因する構音障害,鼻咽腔閉鎖機能不全)。授業では、小児の構音障がい(発音障がい)の原因,評価,訓練方法について教えています。海外文献からピックアップした最新のトレンドや、日々の臨床で感じたことを伝えたり、訓練道具を作成して使用したり、学生の興味を刺激する授業を心がけています。
Point 2
専門科目に加え、他学部他学科の講義も受講可能
「言語聴覚士」+「なりたい自分」になれる
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高次脳機能障害学×遺伝・画像診断学
「高次脳機能障害学」(言語聴覚士科目)に加え、医師から脳科学をさらに深く学び、脳科学のエキスパートをめざす。
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嚥下障害学×心理診断学演習
「嚥下障害学」(言語聴覚士科目)に加え、看護師から吸引や介護技術を習得。
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聴覚障害学✕手話✕手話実習
「聴覚障害学」(言語聴覚士科目)に加え、手話通訳士や聴覚障がいを有する当事者から手話が使えるようになるまで徹底的に学ぶ。
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歯科口腔外科学✕解剖実習
「歯科口腔外科学」(言語聴覚士科目)に加え、歯学部の解剖実習を受け、医学のエキスパートをめざす。
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口腔ケア×口腔ケアアンバサダー講座
歯学部との連携で口腔ケアアンバサダー資格を取得し、将来の自分のためにスキルアップ。
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言語聴覚学✕栄養学
「言語聴覚学」に加え、栄養学を学ぶことで、より効果的な言語聴覚療法の知識やテクニックを探求する。
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言語聴覚学✕認定心理士
「言語聴覚学」に加え、心理学の講義を学び、深い悲しみにある患者さんや家族に寄り添える人になる。
Point 3
臨床現場を想定した講義や演習で、
現場で通用する知識と技術を磨く
言語聴覚士の実際を疑似体験
失語症講義をクローズアップ
高次脳機能障がいの中でも代表的で最も重要な「失語症」をテーマに、実際の臨床で行われるような模擬カンファレンス※を行います。毎週、実際の患者の臨床DVDを全員で供覧。2~4名で1グループとなって順番に評価・訓練を発表し、皆で話し合います。3年次の10月から1月にかけて計7症例の模擬カンファレンスを実施し、臨床に即した実践的な知識と技能を養います。
※課題や問題点、治療方針などを協議する検討会議
- 評価分析、訓練の立案
- 発表
- カンファレンス
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評価分析、訓練の立案
グループで意見を交わして、患者の症状について評価分析し訓練手法を考えます。討論を重ねる中で、知識を活用する力、深く考え伝える力を身につけます。
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発表
症例報告会のような本番さながらの雰囲気の中、クラス全員の前で90分間、臨床所見の詳述や言語障がいの特性、診断、訓練方法の提案と実技(ロールプレイ)を行います。
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カンファレンス
発表担当以外の学生は実習指導者の視点で、発表内容の適正性や専門用語の使い方、訓練メニューの実現性など、多様な観点から質疑。ディスカッションを重ねて学びを深めます。
嚥下障害総論・各論
普段何気なく行っている食べる行為。その過程には、食物を認識して口に運ぶ、唾液と混ぜ合わせながら咀嚼する、のどの奥に運んで飲み込む、食物を胃に送るといった一連の動作があります。授業では摂食・嚥下と障がいのメカニズムから、検査・評価、訓練、カウンセリングまで、摂食・嚥下のリハビリテーションを理解し、技術を身につけます。
早期体験学習
早い段階で、本学歯学部附属病院や言語聴覚士の指導場面が見学できる機会を設けています。医療現場や実際に働く言語聴覚士に接することで、将来への意欲を高め、医療人として必要な知識や技術を学んでいます。
臨床実習
4年次に臨床の現場で12週間におよぶ実習を行います。実習指導者(バイザー)に就いて言語聴覚士の仕事を見学するとともに、実際に一人の患者さんを担当し、検査から評価、訓練、報告書作成まで一連の流れを体験。患者さんに対する接し方、他の専門職との連携、言語聴覚士のあり方ややりがいなど、現場に立つことで学びを深め、医療人としての責任感や倫理観も身につけます。
実習施設
家から近いところや憧れの病院に行きたいなど、学生の希望を最優先に、東海地区を中心に全国150を超える契約施設(病院や福祉施設等)の言語聴覚士のもとで実習を行います。
実習指導にあたる言語聴覚士は、在学中も就職後も心強い恩師になります。
愛知県
名古屋大学医学部附属病院/名古屋市立大学医学部附属西部医療センター/愛知学院大学歯学部附属病院/藤田医科大学病院/国立病院機構名古屋医療センター/名古屋市立東部医療センター/日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院/一宮市立市民病院/小牧市民病院/春日井市民病院/岡崎市民病院/豊橋市民病院/西尾市民病院/常滑市民病院/半田市立半田病院/地域医療振興協会あま市民病院/トヨタ記念病院/国立長寿医療研究センター/岡崎市こども発達医療センター/豊田市こども発達センター/豊橋市こども発達センター/愛知県青い鳥医療療育センター/日本海員掖済会名古屋掖済会病院/昌峰会加藤病院/北陽会北陽会病院/鉃友会宇野病院/財団新和会八千代病院/あいち診療会あいち診療所野並/偕行会名古屋共立病院/社団主体会小山田記念温泉病院/贈恩会知多小嶋記念病院/贈恩会小嶋病院/鳳紀会可知病院/大医会日進おりど病院/福祉会高須病院/尾張健友会千秋病院/杏嶺会尾西記念病院/杏嶺会上林記念病院/杏嶺会一宮西病院/大真会大隈病院/知邑舎岩倉病院/明和会辻村外科病院/豊田会刈谷豊田総合病院/並木会並木病院/博報会岡崎東病院/宏徳会安藤病院/清水会相生山病院/三仁会あさひ病院/明陽会第二成田記念病院/翠鳳会翠鳳第一病院/白水会白水クリニック/三九会三九朗病院/済衆館済衆館病院/秋田病院/杏園会熱田リハビリテーション病院/善常会リハビリテーション病院/珪山会鵜飼リハビリテーション病院/JA愛知厚生連渥美病院/JA愛知厚生連足助病院/JA愛知厚生連豊田厚生病院/JA愛知厚生連安城更生病院/株式会社ジェネラスデイサービス樂音(うたね)/株式会社栖のき訪問看護ステーション「ゆめの葉」
岐阜県
大垣市民病院/羽島市民病院/中津川市民病院/市立恵那病院 /かなめ会山内ホスピタル/厚生会中部国際医療センター/敬生会高井病院/登豊会近石病院/睦会愛生病院/徳洲会大垣徳洲会病院/大垣市立ひまわり学園/清光会岐阜清流病院/厚生会多治見市民病院/岐阜市医師会三好病院/誠道会各務原リハビリテーション病院/フェニックス総合クリニック/JA岐阜厚生連中濃厚生病院/JA岐阜厚生連高山厚生病院
三重県
三重大学医学部附属病院/国立病院機構鈴鹿病院/松阪市民病院/市立伊勢総合病院/三重県立子ども心身発達医療センター/津生協病院/桑名市総合医療センター桑名西医療センター/済生会支部三重県済生会明和病院
静岡県
日本赤十字社静岡赤十字病院/総合病院聖隷三方原病院/市立御前崎総合病院/八洲会袋井みつかわ病院
その他
東京大学医学部附属病院(東京都)/慶應義塾大学病院(東京都)/浅ノ川総合病院(石川県)/栗山会飯田病院(長野県)/慈泉会相澤病院(長野県)/中信勤労者医療協会松本協立病院(長野県)/JA長野厚生連 浅間南麓こもろ医療センター(長野県)/社会福祉法人信濃医療福祉センター(長野県)/市立長浜病院(滋賀県)
実習の流れ
ここに注目!
本学歯学部附属病院と連携した最新の学び
摂食嚥下外来、言語・口腔機能発達外来があり、豊富な研究実績を持つ歯学部附属病院。言語聴覚士コースで教える先生も日々臨床の現場に立ち、患者さんと向き合い続けています。多様な症例、臨床研究をもとにした実践教育に力を入れ、臨床現場で活躍できる力を養成しています。